■ツァガーンサル(旧正月)
前回はナーダム祭りを紹介しましたが、今回はモンゴルのお正月について教えします。
世界中の民族の中でそれぞれのお祭りや行事があります。中央アジア草原に住むモンゴル民族が盛大に祝う祭りは前回紹介したナーダム祭と間逆の季節(冬)にやるツァガーンサル。直で翻訳すると“白い月”という意味を持ちますが“お正月”です。1206年から正式な国の行事の一つとして祝ってきました。ツァガーンサルはモンゴルでは、盛大に祝う大きな祭りなので県によって違う仕来りや恒例行事等の色々と特別な順序があります。だいたい旧正月は2月10~となりますが、10日は日本でいう“大晦日”で11日は“元旦”といわれています。
大晦日になる前に各家庭では作る量は異なるが、モンゴル料理のボーズを必ず作って準備します。新しい年を迎えるので有りっ丈のもの(食べ物)を用意し、かなりの数を作るのでそれなりの費用と労力をつかいます。もちろんのこと家庭内外の大掃除、借金の返済などをすべてクリアし準備万端で縁起よく新年を迎えます。ビトゥーン(大晦日)に前もって作って梱らせたボーズ、サラダ等を家族で腹いっぱい食べます。
元旦の朝、神様に拝んだり、足跡の行事を済ましてから家の中で家族全員が挨拶をします。新年の挨拶は“アマルバイノー”といいます。年上の人が手を上に乗せ、抱き合うようにして、左右に頬を交互に寄せます。日本のように、互いに言い合うというよりは、訪問した家の一番年配の方に年下の者が順番で挨拶します。また、嗅ぎタバコを交互に交換して嗅いだり、去っていく年の話しと迎える一年の目標などを楽しく話すのが特徴です。そうやって、親族の方々からはじめ、お世話になった人々の家へ訪れる伝統的な文化です。